追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で・・・見つけたこと、思ったこと、感じたことなどを綴っています。

風船

あっ
手に持つ か細い糸が
指から するりと 抜けてった


ふっ
風船は 吸い上げられるように


ふわっ
宙に舞い上がる


風に吹かれ どんどん 昇っていく
走って追いかける


風船は 
どんどん どんどん 高く 高く


風に流されていく 
小さくなっていく


もう 届かない


空高く 風に吹かれていく


風船は
もっと もっと 小さくなって 
見えなくなった


それで よかった





今年も夏が過ぎてゆく

夏 休み 夏 祭り
夏 燥ぎ 夏 騒ぎ


今年も夏が過ぎてゆく


降り注ぐ 眩しい日射し
噎せ返るような暑さ
揺らめく陽炎
熱い風


浮き出ては 肌を
伝い 流れ落ちる汗の玉 それでも
この目に映るものは 輝きを増して


景色を彩る
鮮やかに 夏を彩る


今年も夏が過ぎてゆく 少しずつ


止める事も出来ないまま
留まることも 出来ないままに






この場所に佇んで

元気のない空 
弱い光
素肌にもわりと触れる 生温かい空気


涼しい風が 逃がしていく


上り坂
黒いアスファルトの道と 白線の間
ガードレールの向こう側は 緑の下り


高く聳え立つ 山の峰から湧き出した
動かない 白雲は固まって
じわり近づく 
あの 暗い灰色に呑まれるのを 
待っているよう 


明るく澄んだ 小鳥の囀り
ぱっ と 宙を抜け
晴れ間を促しながら


もう一つの
変わらない空を 見せてくれる