追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で・・・見つけたこと、思ったこと、感じたことなどを綴っています。

夜更けの暗闇に浮かぶ憧れ達を、夢の中へ連れて行けたなら

古いラジカセの小さなスピーカーから
ゆっくりと
語りかけるように流れ始める「Stand by me」


珈琲の
温かくほろ苦い香りを楽しみながら
短編小説を少しづつ捲りたい


爽やかな夏の日の朝
誰もいない海辺に
独り佇み


清々しい潮風に身を委ねながら
優しい波の音に
耳を澄ませ


遠く広がる青い海を
静かに
眺めていたい


今にも目の前を過ぎ去ろうとしている
金色に光る
時の砂を捉まえて


手の平の上に零し
さらさらと
音も無く
指の透き間から滑り落ちて行く様を


胸躍らせながら
食い入るように見詰めたい


そんな
細やかな憧れ達を思い浮かべながら
そのまま
すやすやと
気持ち良く浅い眠りに落ちて行き


ふわり柔らかな夢の中で
その続きを


あぁ
心行くまで
愉しんでいたい






冷たい秋の夜風に紛れ、ひらり眩い初夏の記憶

突いて突いて
突き抜けて


もっとずっと
遠くまで


ふと見上げれば
色鮮やかな群青の空に
直線の儚い澪を
ゆっくりと斜に繋いで行く


真っ白に光る 
鋼の鳥


あぁ 
不思議なんだ
とても不思議なんだ


彼の 
大地に幾つも盛られた
巨大なパセリサラダの向こう側には
香り立つ
紺碧の海が艶めき
ゆったりと揺蕩いながら
深く果てし無く広がっている


全て飲み干すには
一体
何れ程の歳月が必要に為るのだろうかと
途方も無い事に
思いを馳せる


あぁ 
不思議なんだ
とても不思議な気分なんだ


青葉戦がせ
煌かせ
長い枝揺らし踊る
寡黙な大樹は


透明な
長方形の硝子窓の先で
ただ柔らかに微笑み浮かべ


さらり吹き抜ける風受けながら
涼しげに景色を
眺め続ける

僕の中の僕だけ

チャポン、チュポン・・
浮遊感に漂う意識 
あぁ・・・


ピチャ、ヒチャ・・
心地よい脱力感が浸透する
あぁ・・・


果てし無く 続けばいい 
と この感覚


静かに浮かぶ
深い緑に囲まれた
透き通る湖の真ん中で


疲れ切った 身体解いて


ゆっくりと流れながら
回る 雲 綿雲


空 水色の空から
輝く眩しい光 
わっと 降り注ぐ


瞼を閉じる 
すっと閉じる 
ずっと閉じる


暗闇から浮かび上がるように
段々と見えて来る


暖かい赤の世界


花開くように広がって行く 
至福の世界


冷たさに 柔らかく
引かれ押されながら
すうっ と


光の国へ 誘われる
そう 僕の中の僕だけ