追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2020年10月のブログ記事

  • Purasiolite

     -波打つノイズの海に    やわらかに透き通る   ピアノの音色を そっと乗せる 赤錆の滲む鉄骨の 複雑に組み込まれた 難解な立体パズル 整然と縦横に並び 歪曲しながら走り巡る 配管パイプの巧妙な迷路 積もる埃に汚された 剥きだしのコンクリートは 儚い役目を全うし終えた 巨象の骸のように経つ 眠... 続きをみる

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  • 指先に灯す

    隣にいるのに 視線は変わらず 赤信号に静止する人型に向けられたまま まるで無関心を装う恋人のような 切ない秋の街角 淋しさに痛む胸を擦る さすらい風が 冷たく幾度も吹き抜けて 輝きだす朝の空に 鱗になりきれない淡雲たちを 遠い南へ追いやってゆく 鳴りやまない喧騒は 交差点に溢れ ただ眩く降り落ちる... 続きをみる

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  • 淡い秋のペーソス

    峠から逸れた脇道 ぐるり曲がって 下り着いた 貯水池の看板の足元から なだらかに登りゆく ざらついたアスファルトを 視線は辿る やわらかな風が すっぽりと開け放たれた東から 確かに色づき 零れそうな樹々の 葉を撫で 細枝をそよがせ 道の端から端へ    ゆらりと    ふわりと 寡黙な水面に 跳ね... 続きをみる

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  • 黒の底に揺れ

    酸っぱくも辛くもない ただ 冷たい風に慣れてしまった 早秋の夜更け ぱらつく雨は途絶え 部屋の片隅で 画面の明かりに流れていた 華やかな物語は 涙目と一緒に闇に紛れてしまい とっぷり 落ち窪んだ胸に ふらりカラフルな風船たちが 居場所を見つけたように 転がり込んでは じゃれ合っている 躰は 薄っぺ... 続きをみる

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