追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2020年11月のブログ記事

  • 寄り立つよるべに幸せのカケラ

    澄み拡がり 明るさに満ちた 十一月の空を渡る 逸れ雲は 長閑なパントマイム 気まぐれに浮かべ漂う 森を辿る なだらかな曲がり路で 褪せた黒の毛皮を纏うスリムな旅猫 愛らしい撫で声 ひとつだけ残し 気品を湛えた足どりで 側溝の傍をしなやかに歩み 白やつれの増えた草むらの中へ ひっそりと姿を消して ま... 続きをみる

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  • さやか季節の余白に浮かべて

    峠の森で 土砂崩れに抉られた爪痕が 乾き澄む空へ放される 秋づく景色を破ったまま 無残な姿をはだける 寸断された道路にも やさしい午後の陽差しは 柔らかな温もりを灯す 乱れ草からむ 雑樹の透き間に オリーブ色の池の水面は細やかに滲み やがて 幾重にも連なる さざ波を作り 煌びやかに瞬く星屑のような... 続きをみる

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