追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2022年1月のブログ記事

  • 染みつき 拭い去れず 黙夜を嫉む

    うっすらと黄ばみ 埃を被った  デジタル式カメラ 液晶画像は繰られる 一年前 から すらりと進め 二年、三年前 彩る季節は廻り 四年前 その ひと齣に眼を留めた この秋の頃 一体 どんな風に暮らして と 遡る、風景写真のなか 透き通る せせらぎに 艶々と  飛沫に濡れる 石溜まりに流れ着き 崩れず... 続きをみる

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  • 吐息のくゆる その苟且を 追い擦るように

    夜空を充たしながら 漂流していく 暗い雲塊を 腹の底に抱え 噴き出し続けるように 留まらず  途切れもせず 疲れの欠片も見せない 重々しく、木霊する 機械獣の唸り 清潔に保たれた 近代工業施設 コンビナート設備から 飛びだして 入り組む迷路の中を 隅々まで潜り、通り抜け、 走り回り 等間隔 側壁点... 続きをみる

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  • 決然としない胸は内に秘めた己を放す

    最西の果てに 沈んで泥む 降り陽から逃れるように 残照に映え 紅緋に燃え盛る 鬼顔犬が、翔る 紛紛と ちぎれ火を 後に撒き散らしながら その姿は 天井を ぎざぎざ と ざっくり 斜めに遮蔽された 宵寄り空に 高く引かれる 頑強な 鉄骨庇の下 左左、左側へ 奥へ  しいん と そのまた奥へ す、す ... 続きをみる

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