追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2022年5月のブログ記事

  • 自身喪失の距離

    冷やりと 透き通る 瑠璃色と思しき ビー玉が 空っぽの頭蓋のなかを 不可思議な速度で 転げつつ 廻っている その 遠心力と微揺動が 宙空に薄ら 映し出されるの を 熊の縫いぐるみを見るように 眺めている 上がり目の 角度は依然 曖昧に游いでいて ここぞとばかり 振り下ろす 虫取網から蜻蛉を逃した ... 続きをみる

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  • 心放され 舞い進み 澄んだ薄明を渡るとき

    触れられはしない けど、時折 ひっそりと 浸ることのできる  曇りのない  清らかな 透明感 例えば、 白み始めたばかり 人気少ない早朝の 街場景に 湿らかに充ちる 冷たい静寂のなかに  ちょっぴり  嫌味のない程度  スパイスが  振り掛けられる 硝子コップに注がれた 炭酸の気泡が 次々、細かく... 続きをみる

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  • 刻の却き 眺め過ぐ夜長の後ろで

    変則で命中 深夜勤務 通い途上に立ち寄る 近く藪沼が隠れた 傾き気味の広い路側帯  細く 伸び掲ぐ外灯の 白明かりに 擦られ 薄く照らし出される 乱れた種々 雑木類の形 輪郭 涼やかで無色な匂い を呼吸する 足元の先に 絡む迷い草 小さな獣達だけが 入り込めるほどの 隙間を辿る奥まりで 息を潜める... 続きをみる

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