寂れゆく風に心掬われ
遠くを数える 眩い光を放つ PCモニターの向こう側 雲行きの妖しい 黒ずんだ天上が広がる そう、遥か彼方にも 僕らは時々 もう過ぎ去った 記憶の零す残像を見る 嬉々と脳裡に思い描く 今はまだ小さく 朧げなビジョンも 薄っすらと時に くっきりと 視界の情景に浮かばせ 静けさのなか 揺蕩いながら 寡黙... 続きをみる
卑しくも非情な血
間違えない 俊敏で冷酷な爬虫類の 艶皮のよう鋭く 光り脈打つ 今、僕のなかに嘲笑う 穢れた血の色 入れ替えなくては 猛毒の混じる滑る液体を また輸血が必要だ 過去三度の 難手術で 継ぎ傷だらけの身体に 一刻も早く 色濃い熱帯びる人間の血 取り戻さねば 湿気にまみれた 苦る空に大口開けて 膿を吐き出... 続きをみる