追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…見つけたこと、思ったこと、感じたことなどを綴っています。

心逸れて

昨夜の
芯まで冷やした風に
連れ去られ
藍絹の空へ 消えてしまったのか


雑木林で
零れ始めた枯葉に早くも隠され
土の籠る匂いに
閉じ込められてしまったのか


それとも
暗闇に沈み落ち
最深で 途切れ
もう、届かなくなってしまったのか



 口数の少なくなった
 朝の街に浮かぶ
 遠くを見つめる虚像の自分が


 理由もなく
 唇から漏れだす
 薄い溜め息のように
 ゆるり 解けだしていく



  そして
  さらり溶けながら
  流され 舞い泳ぎ
  行きつくあてもないままに
  
  さ迷い ただ
  また移ろう季節の愁いに
      揺蕩うのだろうか
  


取りとめのない雲を吐き出すよう
投げだした胸に ふわりと
秋の囁きが聴こえる


透き通る空気に洗われた景色が
手招きをするように
鮮やかに瞼で微笑み


仄かな静寂を抱く時は
背後でゆったりと動きだす


艶やかな
現の調べを 淑やかに奏でながら


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