追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…見つけたこと、思ったこと、感じたことなどを綴っています。

憂い振れ奏づ夜色

記憶に開かる
連写のフィルムには
刻々と移ろう半透明な彩葉が浮かび
やわらかに流る風に 零れ舞う


孤独に泣き崩れるままに
彼方へ旅立った
儚い面影たちのように そっと


一片を拾い上げ
闇に塗られた虚空のしじまに放せば
胸に滴る涙の紫音はくだけ
細かな泡粒になり ふわり揺れ昇りながら
ガラス板の中 震え進む秒針の
寂しげな頷きに溶けて
夜明けへの永い道のりを泳ぐ



 抗えない
 弛まず響き渡る 時代の嘶き
 追われ退き失われゆくものへの 諦念と傍観
 ほんの僅かなひと駒でしかない 擬しさ
 転がり積もった猜疑の塊



 取り繕えない過去が
 冷たく凍える 心の溝になだれ込み
 厚く淀む沈黙のきれ間から
 温かな光 穏やかに差し込む朝を
 じっと眠り続ける
 閉めきられた青黒いカーテンの先に待ち望む



 蕩蕩と捲り 近づくのか
 手繰るようにも
 解けるようにも
 掴めず逸れゆく  戻せない時ーー



追憶に遠く
朧げに掠れゆく
いつかの
華やかな秋景を見送る視線は すっと
眼の裏に滑り落ちた
斜に閃く流星の余韻に


重く吐き出せない嘆きと
じわり苦い 哀しみの切れ端を
薄っすらと白みがかる 暗宙へ離し滲ませて






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