紲,refrain
あ っ 涙 が
今、 確 かに
ぬくもりが 伝う
ゆらり 微睡む
追憶の 明滅 する 胸へ
悴む冬の、
消入る ような
哀しみに 射たれるのか
それとも
綻ぶ春に
触れ添う ような
喜びを、 傍らに懐くのか
そっと 零れた
月明かりのテラスに
に
百八十度
限りなく延べる 眺望は
いつもより
滑らかで、 艶やかな
甘く 青い葡萄色 で
どう し て 時の
経つ ほどに 深く 濃く
すべての 思 慕 を
覆い 隠す よう
染め尽くして しまう のか
いずれは その 場所へ
皆、リリウムの 白い花束に
数え きれ ない
想い出 を 脱ぎ捨て
還ってしまう という のに
冷たい夜を 抜け出して
天空へと 駆け昇る 翼
足許に流れ 壮麗に、
うねる 銀河の
振り 撒 ける 旋 律 と
幾億もの 弾むように
散れ 交う 瞬 き が
やさしさの 紡ぐ 風と共に
か細い 響 き
震わせ、 息づく
しなやかな 放れ身 を
慈しむように 包み 込んだ
夜行列車は
長く 揺り 騒ぎながら
寝静まる、暗闇 を
一筋 照らし
涼しげに 波打つよう
転がり 素早く 突き進む
道程に 通り過ぎて
見失ったもの 達の
伸ばす、 淡い影 が
寄るべない 切なさを 呼べば
振り返りながら また
ゆっくり と、踏みしめ
歩んでいく
癒されない 熱 望 が促す
未来の 背に 冀うよう
この 果てしない 物語の
ずっと、先端を描く
綴り へと
濁りのない 無心で
追いかけるように
遠く 投げかける
憂わしさの捌けた
真摯に見据える、 眼差しを
refrain(リフレイン)…詩、楽曲の各節最後の部分を繰り返すこと。
その繰り返し。
冀う(こいねがう)…そうなって欲しいと願うこと。