追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

時として飛躍し過ぎた内在的思想は昇華へ至らず

峠の脇路の下り
上目に坂を眺む折
斑模様に流れる



汚れ雲間から照す丸陽



山型に
アスファルトへ落ちた
木陰に留まり



しおらかに戦ぐ
枝葉の涼を
無意識に嗅ぎ過ごす




と不意に颯爽
圧倒的な勢いで吹きつける
突風が緩い眠気を揺すり



その直後
多次元宇宙の
あらゆる処



梱包緩衝材の空気玉
一粒を両手指の先で
摘まみ潰したときのような



小さくも
絶大な爆発が起こる



頭脳中枢に
ランダムな衝撃波



くだけ散る
雑多な記憶



それは種々様々な
欠片の再集積を呼び



新たなる
惑星が生成される



時空を越える因果の普遍



煌めきと閃きと
ときめきが
混同される瞬間



猛暑に絞り出された
浮き汗は萎み



さらり振り撒かれる
永遠への道程



細糸が引き放たるよう
小蝉の声は
カラフルに宙空を貫く




ーーにも拘らずまた
生暖かく優れない空に
不穏な薄明かりが滲み



荒れ狂う嵐の気配が
無防備な
背中を這い回る感触



困り顔とハの字形に
寄ってしまう眉毛



暗転する
煮え切らない盛夏の午後

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