追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

瞬く幻影の淵へ 彷徨いただ無心に 落ち委ねるままに

完全な真夏の
熱い陽射しを
全身に浴びながら
火照る肌を潤すように
すうっと靡く
絹帯のような
風が触れる、時に



側道を足早に
進む
人影
洗い晒しの
爽や香りを清しく退ける
そのなかにはきっと
浮きつ流る
粒汗の匂いも



前面に背に
見渡す
ストレートロード
この道は遥か西空の
積乱雲まで遠く
繋がっているようで



そして
頭上に
弧を描き昇る
一天の強い輝きは
眩き青空を色鮮やかに
引き立てる総指揮者



燦々と
奏でられる
煌めく多彩種の
宝石が降り注ぎ
散りばめられた緑の都
大洋の海面のように
揺蕩いながら
綺羅ら
びやかに魅せる




これは昨今に
過ぎた
場景の残映なのか 
これから
訪れる未知憧憬の 一齣
なのか 
虚ろに、游ぐ現
顕在意識
と確かに結ばれず




 眼前に瞬間
 白い閃光が溢れ



 砕けるよう
 自分のなかへ沈み込む



 派手に生まれる
 歪む泡の響き




脳随の深く
松果内部に
解けて、踊り漂う
艶めき透き通る
波底にそよぐ珊瑚のよう
柔らかくしなう
長くもなく
短くもない



一片の途切れ糸が



今にも
この差し伸べた
指先へ
届きそうに
濃い湿気に膨らんだ
中空の薄膜に
放され
ゆうらり
密やかに明滅す

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