追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

ささやかな幸せ

今日も自分なり
頑張ったけど 
お帰り、なんて


誰も言ってはくれない 


脱け殻になった
独り身の俺だけ


いいさ、いいのさ
ずっこけてばかり
出来損ないのポンコツで


誰に必要とされることも
誰に慕われる必要もない


勝手気儘
気持ち投げ遣り気味に
暮らすのさ



寝床にぶっ倒れ
溜まった疲れを
低い天井にぶちまける


洗濯機回し風呂入り
簡単な飯喰らい歯磨き


せっかちな動画
ぼんやり眺めてたら


いつの間にか
眼鏡を鼻柱に掛けたまま
くたばってる始末



緊迫から放たれる躰
激しい夢の残痕
後味の悪い寝汗


目を醒ましたのは午前0時


切りのない恋歌う
流行りの歌謡曲に
嫌気がさした後みたく


ゆるり軒から
滴る雫
こつこつと弾け


そろり戸を開けると


洗いざらしの
静寂を包む、暗い夜空が
小綺麗過ぎて


荒んだ眼の中まで
優しく彩る

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