追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で・・・見つけたこと、思ったこと、感じたことなどを綴っています。

透明な羽根

果てなく広がる 空想の 色鮮やかに艶めく深く青い海
荒く冷たい潮風に乗り 遠い異国の地から


踊るように 流れ 流されて 流れ 流されて


身体に染み込んだ 茹だるような夏の暑さと気だるさを 追い払うように 
開け放った窓から 滑り込み
僕の住む この味気ない部屋に辿り着いた


君は 何処にも居るはずの無い 
美しい 硝子細工のような水鳥の 薄く 透明な か弱い羽根


宙を ぐるりぐるりと ひらりひらりと
過ぎ去った 昨日から漏れ出すように届く 
涼しげで 柔らかなピアノの音色に合わせるように


緩やかに回りながら 回りながら ふわり降りてきて
胸の前に寄せた 両の手の平の上に そっと身を横たえる


心の中に しんと広がる 決して波立つことの無い湖の 滑らかな水面に ただ一つ乗り
優しく揺らし すっと綺麗な波紋を 作り重ねる


君は 何も持たない僕に舞い降りて来た 小さな幸せ
木陰にひっそりと佇む 幼気な野花の 囁くような仄かな香り
細やかな 安らぎと温もり 
不意に零れ出す 無邪気な微笑み




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