追想の彼方

移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに

想う果てない暦の花片を

かすみ じゅん
終わりのない
夢幻の中を
彷徨っているみたいだ
識らず知らず
移ろう四季

もうじき暖かな春を知らせる

徒名草が埜に山に
谷合のこの街でも
密やかに開き始める


後何回見られるのだろうか
限りある自分の人生を
少しずつ磨り減らし
途切れず廻る季節に
委ねつつ漂いながら


間々に跳ねたり踊ったり
散り舞う花弁のように
面白可笑しく
屈託なく顔を綻ばせ
過ごせた時もあったかな


どうにもならない煩いに
苛立ち憤り放心し

声上げ泣き叫ぶ事も出来ず
息を潜めて眠りに落ちた
そんな夜もあったかな


辛い冬が打ち寄せた
荒波のように引いてゆく
次第に漣のよう凪いで
漸く穏やかで柔らかな
陽差しが照らし


また鮮やかな
新緑の息吹がそより
頬に触れ晴宙を游ぎ
凍え切り傷ついた身体を

出迎えてくれる

労わるように


もうじき円かな春を知らせる
淡桃の花が光り

燥ぐ風に靡き
鄙びたこの街にも

溢れるように咲き乱れる
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