追想の彼方

移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに

透き和む綻ぶ候に

かすみ じゅん


山裾に犇めく
家々を伝い潜る

狭い坂の腹部に

届き始め暫く
黄目映い朝の
温かな陽射しの中を


ふうらふわら
千切れ束の綿種
柔らかに小さく軽く


視界宙を緩やかに


爽やかに踊る
好風に煽られ
零れだす粉雪のよう


高く浮き上がり
そしてふらりゆふら
游ぎ降りながら


差し出した
掌を滑り抜けて
両足に戯れ付き


また胸元まで昇り
微笑み湛えて
散りゆく四方へと


「何処まで行くの?」


「あなたの知らない
遠い場所だよ」


そんな白れっと

連れないこと

いわないでさ


来年かなまた
会える時は
もし傍を通れば


知らせてそっと
君達がどんな素敵な
花を咲かせてるのか


今から愉しみで
仕方が無いんだ
道端かな藪の陰かな


見当も付かないし
約束も白紙の儘だけど
憶えててくれれば


いつか思い掛けず
出会える筈だよね
また何処かできっと

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