追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

満ち溢る 薄紅の頃へ想いかけて

追うほどに 延べ進む
淡き青と見馴れた街の
止めどなく繋がる
あの幸先の景色へ 僕らは
いつになく上機嫌で
振り放つように賭し 
飛び立つように駆け
また廻り来る
未知の風に伸せて きっと
導を残し より遠く
悩みの尽きない、世界を誘うー



「素敵だね」って、そんな言葉
期待してる訳じゃなくて ただ



一体、何が観えたんだろう
零れ落ちた束の間に
この丸い 瞳の奥に


阿る毎日に、断ち離せない日々
果てなく囚われるように
流れゆく 歳月のなかに



ほんのりと微笑み携え
色づき始めた、季節の畔で



解れた心が詠うだけ
拭い切れない虚しさと
遥かへと 長ける願い
ともすれば
砕け散りそうになる 未来を
そっと、掌へ包み込むように


履き違えてなんか居やしない、と
誰しも思うこと
有りの儘に描かれる
素直な気持ち
伝えたい 投げだした胸に
問いかけながら



やっかいな現実に藻掻き
今にも打ち拉がれそうな



吐きだせない孤独と
闘う君へ
雁字搦めから逃げ出したい
あなたと
そして、決して譲れない
自分のためにも



本当の春は、もうすぐ
穏やかな陽の降りる
身を寄せたベンチの隣に
そより 懐くような
甘い薫り 
静と囁き、運んでくれる

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