灼熱の残響 ーmy dear summer sunー
必然唖然暑さのお釣
すかすかの心空
何処に行っちまったい
何事も省みない
天をも貫く勢いで
吼えたてる猛烈な激情
超然不屈の魂
今ではもう
抜け殻以上の脱ぎ捨て殻
残り滓以下の絞りカス
冷茶の飲み過ぎで
たぷついた腹もついでに
掻っ浚ってくれよ
ああ、
頗る気怠い蒸し風呂の夏
始まっちまう今日も
辛気臭く
やんわり仄暗い
平凡住宅街の片隅
梅雨時のこざっぱりした朝
散るりら細やかに、
虫の音零れ
湿っぽく涼やかな
この身を取り巻く
空間含包物の微動すら
肌に感知できない
静謐の裏地にまで耳澄ます
最奥のそのまた
最央に潜り込み
内部のそのまた深部
とってもデリケートで
ナイーブな秘密を
嫌らしく探るように
カタツムリの
ネロネロと歩む速度で
時間が滑らかに進みだす
生きとし生けるものの
透明度の高い目醒め
産まれたて総ての
エナジーがこの草臥れた
ぽんこつな躯を見つけ
憐れむように流れ込む
そんな気がするんだ
ありふれた大宇宙の中の
ありふれた世界図の中の
ありふれた山間地の中の
ありふれた状景色の中の
うらびれた俺は
良いんじゃないかなって
そんな感じで無難な所で
丁度いいんじゃない?
しょうもない自分には
お似合いさこのぐらいが
何て今は思えている
しかし
留まることはない
ミリ秒は捲られ続ける
ジリジリと 瞬間という
場面のスライス
ぐぅおぬがだおらぶら
あの太陽の野郎がよぅ
あのくそでけぇ
魔夏太陽の
クソバカヤロゥがよう!
何て極端に
胸糞悪くなって全身が
煮えたぎるように苛つき
頭ん中までイッちまう
熾烈な真っ昼間も
厳つく、容赦なく
狂気溌剌でこれまた
信じられねえふてぶてしさ全開
我が物顔でもう直
ギラメラとやって来る
※my dear summer sun…
我が親愛なる魔夏の太陽。