追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

完熟放心 ─Rakugo language─

ゴォンロゴロゥリリー
グヮォンダウダララー
二日間もお休みもらいの
薄暗い部屋に日がな一日
ぐでぇっと寝そべり
お前何してんのかって?


捻ってんのさぁ
スッカラカンな頭ん中で
なんかわかんないけど、
いいアイデア湧いて
出て来ねえかなって
気張ってもいるんだぜ


う゛~ん
ブホブリバリビリっ!!
あぢゃ、
お尻破れちゃったかな?
パンツが重たいような
変な匂いもするような


そんなこたぁ
どうでもいいんだよお
あんたなぁ こんもりぃ
ベツのもん出て来ても
しゃーないんだけどさ


んじゃぁ
どうすりゃいんだよ一体


くだらねぇなぁ、
糞くせぇからっつって
何だっていうんだよな
どうしたっていうんだよ
どうしろってんだよな全く


ちゃんとしたもん
書けってんだよな?


んま、分かったよ
分かりましたよってば
俺からこの胸のボクに
ちゃんと言っておきますぅ
ちゃぁんと言って聞かせます



お前なぁにゃろうめ
一応詩詠みなんだろぉが
あぁぁぉ?
舐めてっじゃねぇぞぉ
コノヤロぅ唐変木がぁ
ワンパン1発ブチ喰らわすぞ?
性根入れてやれよっ、
あほんだらミソカスゥ!!



よし、
これで大丈夫と思うけど
このぐうたらも
しこたま厳しい夏を
何とかかんとか泳ぎ抜き
それで溜まった疲れが 


ずばばばぁっと
身体中から噴き出し序で
デトックスしてるんだと


許いてやっておくんなせ
この三下奴めにびしっと
お灸すえてやりましたんで
へぃ ま、休日なもんでね
このくらいでこんな具合で
てへへへあれっ、れっ


にしてもあぁ 自棄にい
涼しくなったもんですなぁ


んむにゃらふにゃういら
へえろれろひふうんぬる
あゅ~、お眠ですぅ 
もうダミぇ んんあの 
ど酷暑の地獄の茹で釜で
ぐぉらぐぁらぬむらとぉ


うどんのよう煮込まれた
絶苦汁の日々に 乾杯ぃ


そりではまぁた何時ぞ
まんまるな月の明かりに
照らされ遠くまで 
仄かに脳裡に優しく浮かぶ
心地よい穏やかな風吹き
艶やかに光り揺蕩う
夢の碧い草原で会いまひょう

























※Rakugo language…
落言語化。

angel of literature  ─液晶パネルの向こう側に─

君のなかには
早朝の湖を臨むごとく
取り乱すものが微塵も見えない


透明なそよ風にそっと
送られてくるような手紙
受け取るだけだからかな


一体どこにいるんだい?
とても柔らかに澄んだ
仄か柑橘の香りが浮かぶ


君はエンジェル
俺のなかで届かぬ距離
いつも遠くから俺を見守り
安らぎを与えてくれる


そしてたおやかな温もりで
労り慰め包み込んでくれる


人間に生まれ変わった
君がこの世に言葉を紡ぎだし
どれだけ多くの人々を
癒やし救ってきたのか


わかりはしないけど
この胸の一番深く
揺るぎない部分で君を
求めているのは確かさ


けれど、
この長い人生の先でも
来世でも再来世でも
永遠に結ばれることが
なかったとしても


君を信じている
魂が訴えてくんのさ
この瞬間が命だって
だから俺は
もう一歩高く舞い上がれるんだ
















※angel of literature…
文学世界の天使。

線香花火 ─Summer Fling─

曇りがちな日々に移ろう
猛暑を脱した
乾いた晴天 緑の高台
吹き下ろす風は踊りながら
煩わしい作業着の
皺くちゃな長袖シャツん中を
心地よく潜るんだ


別に変わったこと何か
全然ありゃしねえけど
ただ煮え滾る真夏の監獄から
漸く抜け出せた感が
すっきりとくっきりと頭上に
だだっ広く澄んだあの空へ
映り込んでる
そんな気がするだけ


そうさ
現実は何も変わりゃしねえ
けど恋活も転職ももう既に
年齢制限とうに越えてて
有象無象の残り滓に
ありつけるかどうかさえ
気がつけば瀬戸際
曖昧微妙なラインだったり


何だかな、世間との
ホウコウセイノチガイか
外面の俺とさ


結婚しろって今更なぁ
ご冗談 無理無理そんな 
勘弁してくれ
確かにそりゃ普通だけど
俺は気楽にやりたいだけさ
人それぞれだよな
生き方って色々違うだろ


皆一緒でハッピーかな?
皆んな違うからラッキーが
生まれるんじゃねえかなって
どうなんだろな
真偽の程は定かじゃねえが
少なくとも俺は今
何となくそんな気持ち


憧れのあの娘は今も
胸の中で優しく微笑んで
新しい恋 探し続ける俺


留まれない道を
勢いそのままに
周りに促されるように進み
すれ違う美人たちに見惚れ
透き通る面影を重ねて
どうせ結ばれぬものならば
と、
勝手な物語を脳裡に紡いでは
人知れず快楽を求め
週末の 賑やかな都会で
路地裏を彷徨う 迷妄
静か過ぎる夜闇にか弱く
弾ける火花の匂いが瞬いて
酔いどれ儚い夢を見る























※Summer Fling…ひと夏の恋。