追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2021年9月のブログ記事

  • 汚れはする 磨り減らない上履きと、  似て

    仲秋の 未 明、 薄い紫の夜空は ゆるやかに  集う 鈍雲の群れに酔いしれる  色濃い 丸月を  描いて  弄ぶ その裏側から  屑星、たちの  やわらかな微笑が 降り注ぐよう 夢見る森を下り 住宅の 犇めく路地に 滑りだし  普く散りばめられた 求愛の瞬きは  今も 絶えまなく 傍らに そばだて... 続きをみる

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  • 湿った夕の傍ら

     くるくる 回る  雨の歩道  先ゆく、 まあるい  蝙蝠傘も  ひやり と  脹ら脛   触れ抜ける  この小風も   その香りも  街色を縁どり  仄明かり 漏らす  あの 訝り面した 、濁り雲 も 肌寒い朝  眠気を 醒まそうと、欠伸し 捻る 蛇口の取っ手も テーブルに 並び 賑わす 毎度の... 続きをみる

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  • 八月を濡らす空と羽のある蛙

    読んでいる 食んでいる 縁までちゃんと舐めている 粒々点々 画面にとことこ  映える文字  半分 つまらないけど  半分 ほっとするんだ  ぺとぺと ぼとぼと   ぱたぱたと、拾い続ける  高性能な鼓膜     はは  長雨のこと ぎゃたん、と 金属の擦れ打つ音 甲高く 網戸の向こうで  ぼやけて... 続きをみる

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