追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

卑しくも非情な血

間違えない
俊敏で冷酷な爬虫類の
艶皮のよう鋭く



光り脈打つ
今、僕のなかに嘲笑う
穢れた血の色



入れ替えなくては
猛毒の混じる滑る液体を
また輸血が必要だ



過去三度の
難手術で
継ぎ傷だらけの身体に



一刻も早く
色濃い熱帯びる人間の血
取り戻さねば




湿気にまみれた
苦る空に大口開けて
膿を吐き出す



生きた言葉を探せ
生きた言葉を貪れ
生きた言葉を呑み込め



浴びるほどにもっと
押し流せ
無慈悲な色を



温かに
思い遣れることのできる
人間らしい心



際限なく湧きだす
欲望に蝕まれ
忘れ去るその前に

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