追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

It's not that I don't like it, but

noiseに占拠された
すかすか髑髏の頭ん中
今、俺はいねぇな
草臥れてもないのに
何の考えも湧きゃしない


高台にどっしりと鎮座する
洋城のような完璧なビル群


その周りに配置された
振動する金属boxの臓器
格子状に登り繋ぐ
亜鉛色の夥しい組鉄骨
血管みたく枝分け走る
重硬な鋼配管に囲まれた
機械呼吸の反響する騒音が
絶えない広い化学工場地内


カメラのfinderに
収まったように
高く角張る隙間に填まった
晴れ空が散らばり
眩く覗いて見えてて


んなもんでぼけえっと
阿呆面して眺めてる
筒抜けの眼の穴から


フラスコに落とし込まれた
奇怪な液体に浮かぶ
雨蛙みたいな気分さ


stickerだらけ傷だらけ
ヘルメット被った作業員
監督達が立ち止まって
話し込んだり談笑しいの


喧しい開発現場を
また見上げては指を差す


資材を乗せた小錆びる
4tトラックがもう一台
唸りながらがちゃがちゃ
車体を軋ませ通過して


俺はこの吹き晒しの
交差点に立ち尽くし
慣れきってしまった
煩雑な往来のなかで
無機質な背景と同化してる


補欠要員みたいなもんだ


出番は少ねえよ寒ぃしよ
いつまで続くんだろな
まあさ気分次第、んにゃ
そう言い切りたいけどな
行ける所までだとここで



毎度の中休止一息入れに
ぶらりと辿る構内道路を



何がそんな面白ぃんだろ
何がそんな腹立たしんだろ
何がんな気にいらねんだろ
何がそんな詰まらねんだろ
何がそんなに辛ぃんだろ


喫煙所に溢れ声花咲かす
たわいもなさそな話は
嘲りか誹謗か唯の娯楽か
妬みか蔑み今夜の献立か
喉元に痺れる苦旨なsmoke


いつの間に意識が躰から
つるり抜け出し異次元に
すっ飛んじまってなかなか
戻って来ねえことがある


そんな時はどこからだか


耳に流れ込む誰かしらの
言葉を存在そのものを
空気のように無関心に
遣り過ごしてしまうだけ


望むように心地よく
愉しいことばかり
起こる訳ねえよな現実は
そんなことは本当に稀
割り切れねえとこもある


甘くはねえわな人生って


これまでもそして
これからもずっと
山あり谷あり草原ありだ


取り留めのない世界に
どんだけshakeされようが


頑張らなきゃなんない時
しっかり踏ん張ってさ


どう足掻いても覆らねえ
規則だらけの檻のなかで


な矢鱈と欲張んなくても
程よい雰囲気に治まって
いい塩梅に一日が終えりゃ
それだけでそこそこの
happyは手に入るんだよ


何の問題もないじゃない?
気儘にやれりゃいいじゃない
気軽にやれりゃいいじゃない
気楽にやれりゃいいじゃない
それで、良しとしようぜ























※It's not that I don't like it, but
…嫌な訳じゃないけどさ、別に

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