追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

ぱらり 春の色齣

あの日は
どうして
冬退け風が
コンクリートの丘にまで
しゅしゅしゅしゅ
しゅしゅら 
と吹き踊り




あれやもこれやも
散らかし放題




眼下に敷かれた
電子基盤そっくりな
都市街並みの遊園地
戯れて跳んで
はしゃいで、滑る
ひゃららいら





捲る日、田舎を
ぶーらりら
長閑に目覚めて
色濃く香る 紅梅白梅
にこやかに咲き乱る
喜びの宴に蜜蜂たち
くるくるくるり
飛び回り
もぞもぞもぞり
甘あい
みつ液に、無我夢中





ある時ある村
昼下がり
その日は
いつもの寄り道で
パキポキパリリ
色つや抜けた 雑木林
枯れ果てる
茶草藪の入り口に



小さな胡蝶
ぴららひ舞いながら
近づいて
足許前に
優しく
しずかに降り留まる
よくよくみれば
目映く鮮やか 黄色のお花
一輪元気に
咲いていて



ゆるりゆるり

斑の羽を、
開いて閉じて
美味しそに
まあるい中心 吸っています




あらあらもうさ
お出かけですか




ぷいっと、しゃっと
飛び立ちました



ぴらぴらぴらり
お友達の御出座しです



付いて離れてまた付いて
行きつ戻りつ、
愉しげに
橙毛の三つ編み
編んでるみたい




たらるら っと
くるらら っと
ゆらるら っと 
するらら っと




山鳥たちの
可愛い、囀り歌と
踊るよに
織り成すように



明かる水色
つるりと晴れた
ぽかぽか陽気の 
み空に乗せて












※色齣(いろこま)…
造語。趣のある場面の意。

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