Buried in waves of noise
漸く訪れた春に
咽び泣く空の下
物憂げに満ちない桜も
艶やかな滴を
弾けそうな無数の蕾に
抱えてはまた零す
灰霧に滲む森
薄暗さ纏う並木道
悲雨に打たれるまま
虚ろな足を運び
どこかで逸れた
追憶の欠片にすがる
取り戻せるものは
何にもありはしないけど
気を落とす両肩に
まだ半咲きの花弁達を
ふわり揺らし歩めば
今にもそう
へたり込みそうな
脆い気持ちのままでも
また明くる
陽の綻ぶ時を宿す胸に
存分に咲き乱れる
柔らかな桜の樹々を
想い描くことが出来るから
※Buried in waves of noise
…雑音の波に埋もれ