追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

2022年3月のブログ記事

  • 慵刻に見ゆ 顛末は遠く 微笑を浮かべ翻り

      一握り程のはぐれ雲が それは南方位へと 強く圧し浚う 素早い、七色の風に 打たれ 散り 解けるように変化する 軟らかに 姿を変えてゆく 激流を逆らい 命懸けで鰭を振る 川魚の如く模して 無心に泳ぐ 全身を 著しく 震わせながら   も、   六十分の十五秒程度の   束の間 ふわり捲られ 乱さ... 続きをみる

    nice! 10
  • ぱらり 春の色齣

    あの日は どうして 冬退け風が コンクリートの丘にまで しゅしゅしゅしゅ しゅしゅら  と吹き踊り あれやもこれやも 散らかし放題 眼下に敷かれた 電子基盤そっくりな 都市街並みの遊園地 戯れて跳んで はしゃいで、滑る ひゃららいら 捲る日、田舎を ぶーらりら 長閑に目覚めて 色濃く香る 紅梅白梅... 続きをみる

    nice! 11
  • どれだけ辛くとも 季節は 新たな頁を捲り続ける

    もう一人の 自分が 前頭葉の付近で 無意識に呟く 頼みもしないのに 巡る 暖かな春は 厄介な荷物を 引っ提げてやって来た と 疫病に蝕まれた この混沌とする世の中に またも 繰り返す、戦禍の報道   誰しもが望む   明日の平和を   踏みにじるように 毎度の帰宅ラッシュ のろつく 軽渋滞を食らう... 続きをみる

    nice! 20
  • 綿ジャケ内の重ね着も共に越冬す

    春めいて来た というのかな こんな時 しぶい眼を瞬かせる 朝一番 鼻先を擽る 毛布の暗闇のなか いつもの芋虫スタイル 今日は寒さで 身体が震えない 二度寝三度寝、繰り返し のんびりと床上に転ぶ 満足のゆく快眠に ぱっちりと冴えた瞳 近く電線に留まる雀も スローテンポ 気持ち良さそうに 可愛らしい鳴... 続きをみる

    nice! 11