追想の彼方

自然の中で、日々の暮らしの中で…移り変わり揺れ動く心の内を 気儘にも身勝手にも感じるままに。

八月を濡らす空と羽のある蛙

読んでいる
食んでいる
縁までちゃんと舐めている


粒々点々
画面にとことこ 
映える文字



 半分 つまらないけど
 半分 ほっとするんだ



 ぺとぺと ぼとぼと 
 ぱたぱたと、拾い続ける
 高性能な鼓膜 
 


 はは  長雨のこと



ぎゃたん、と
金属の擦れ打つ音 甲高く
網戸の向こうで 
ぼやけてた
曇った声は ぽつりと消えて



嗄れ声の蛙が ほら
屋根の上から
うんざりしたよな
鳴き声 三つ 落としてく



 残暑は再びやってくる



冷たいシャワーが
遠退けば
みんみん蝉は裏山のなか
茹だる想い出 懐かしく
こぶしを利かせ  絞りだす

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